1. 当研究室の概要


・ 呼吸障害の理学療法とリハビリテーションに関する臨床と研究の指導を行う大学院研究室です。
・ 昭和63年に旧医療短大第一期生卒業生を研究生として受け入れることからスタートしました。その後,医学部保健学科へ改組,大学院修士から博士課程教育へと進んでいます。現在,本研究室で学んだ研究生(研修生)および大学院生修了者は140名以上(平成25年3月現在,在籍中も含む)であり,全国の医療および教育機関の第一線で活躍しています。


【活動内容】
- 大学院修士および博士課程での研究指導
- 定期勉強会開催:
 リサーチ・カンファレンス(大学院生);毎週月曜日
 臨床系勉強会(関連施設研究生);隔週水曜日(臨時あり)
- 呼吸リハビリテーションに関する研修会の開催および協力
 長崎大学公開講座,日本呼吸ケア・リハ学会呼吸リハ研修会,その他各種研修会・セミナーの支援
- 各種研究プロジェクトの推進
- 関連施設での臨床研究の推進
- 学会での各種研究ならびに臨床成績の発表,論文発表
- その他


2. 大学院生および関連病院の研究生への指導


・大学院修士および博士課程に在籍する大学院生に対して,内部障害系理学療法に関連する研究指導と
教育を行います。
・ 毎週水曜日の勉強会での各種講義,実技指導,症例検討,英語論文抄読などを通じて呼吸器臨床における実践能力の向上を支援します。
・ 臨床研究のサポート,指導を行います。


3. 当研究室における研究活動


【地域住民におけるCOPDの疫学調査と地域医療連携システムのあり方に関する研究】
- 当研究室では本学医歯薬学総合研究科公衆衛生学教室に協力する形で以前から,長崎県内各地および離島における地域住民の健康調査に取り組んできた実績があります。現在,関連機関の協力のもと,松浦市を中心とした県北地区におけるCOPD疫学調査と保健医療介入の研究を行っています。


【大気汚染による公害認定患者における呼吸機能の経年推移と呼吸リハ介入の研究】
- 環境再生保全機構からの支援を得て公害認定患者における呼吸機能の調査と重症度別・簡易呼吸リハプログラムの多施設間無作為比較試験を行っています。


【シャトルウォーキングテストと運動耐容能評価,運動介入に関する研究】
- シャトルウォーキングテスト(Shuttle Walking Test)とは英国のSingh博士らにより開発応用された漸増運動負荷テストです。
当研究室ではシャトルウォーキングテストの日本語版版権を所有しており,わが国の臨床への普及定着に向けて様々な基礎および臨床研究を行っています。
販売・登録についてはこちらからお願いいたします。


【呼吸リハと理学療法の効果,その他関連領域に関する基礎的・臨床研究】
- 関連施設を中心に,COPD以外の慢性呼吸器疾患,さらには急性呼吸障害に対する理学療法の効果の検証や評価のあり方に関する様々な臨床研究を行っています。


【心疾患,摂食・嚥下障害の患者さんにおけるリハビリテーション介入に関する研究】


4. この研究室で何を学ぶのか


・ 上記研究内容に関連した研究活動を推進します。
・ 研究計画,研究の進め方や方法論に関して系統的に学びます。
・ 学会発表,論文作成の方法と実際について学びます。
・ 当研究室臨床系勉強会を通じて呼吸器臨床の実践について学びます。

5. 当研究室で学ぶ方々の到達目標


【1年目】
・各所属施設の特色や役割,理念・目標を理解し,職場スタッフ指導のもと臨床を通じて医療人としての基本姿勢(患者と家族の気持ちを理解し共感する情意,社会人として節度ある態度:接遇,医療に携わる医療専門職としてのプロ意識など)を身につける。また臨床における基本的な知識・技術を学ぶとともに,先輩の研究の手伝いができる。
【2年目】
・基本的な患者評価,治療を単独で行うことができ,求められた仕事を確実に行うことができる。また,臨床を通じて研究に対する興味を持つことができ,学会発表(特に症例報告)を行うことができる。1年目のスタッフの指導を行うことができる。
【3年目】
・専門的な知識・技術の習得を目指し,自己解決能力を有し新たな目標を設定し,それに向けて計画性を持って取り組むことができる。3年目として新人教育に積極的に参加できるようになる。また,3年間の臨床のまとめとして研究活動に参加するとともに,指導を受けながら論文1編を完成させることができる。
2年目のスタッフの指導を行うことができる。


6. 臨床系勉強会の目標・内容


・ ミニ講義,実習,英語論文抄読,学会発表予演会などで構成します。
・ 系統的,一貫性を持って臨床能力の向上に努める。
・ 自らが積極的に取り組み,考えを発言する。
・ 参加者自らがミニ講義等を担当することを通じて,勉強会の企画・運営に携わる。
・ 常に最新の内容を発表できるよう情報収集に努める。
・ 最新の情報を発信できるようアップデートに努める。
・ プレゼンテーション能力の向上に努める。